優しい会社 〜きょうのありがたい一冊〜

2011/9/2 00:00  コメント(0)  閲覧回数:297   ブックマークするこのログをブックマークする  不適切な投稿として通報する  全体に公開


  社会にはそれぞれの時代があり、そこにそれぞれの世代がいる。

 青年期、壮年期、中年期、老年期・・・それぞれがそれぞれの価値観で活躍し、またそれぞれの価値観を捨てないでいる。



 ピューリッツァー賞を受賞している進化生物学者のジャレド・ダイアモンドは、人類1万3000年の歴史上に存在した文明を調査した。

 それによると崩壊する文明と、存続する文明とは何が違うのかを分析した結果をリポートしている。



 その結果、文明が存続できるかどうかの分水嶺は、戦争でも、疫病でもなく、時代が変わる中で「捨てるべき価値観を捨て、引き継ぐべき価値観を引き継ぎ、新しい価値観を生み出せるかどうか」であるとの結論に至ったとのことだ。


 つまり、必要ないものを壊しながら、新しい価値観を生み出す準備をしなければ、文明は崩壊してしまう。まさに、その時期に私たちは生きているのである。(本文より)



 著者は日本の過去70年間をひとつのサイクル〈春夏秋冬〉であると考え、それぞれの時代に活躍した人間の価値観を分かりやすく取り上げ、それらは決して単に古いということではなく、それぞれの時代の役割だったのだと表現している。

 ベテランは若い世代を「わかってない」などと否定しては新しい文明は生まれないし、若い世代はベテランを「古い」などと否定しては残すべき文明を引き継ぐことができない。まさに「春夏秋冬」がひとつの組織や社会に脈々と共存するからこそ強くなれる。



 この本の背景となる考え方となったのは、アメリカの歴史家のNeil Howe,William Straussが打ち立てた4世代「70年説」が一つの歴史サイクルをつくっているという概念である。彼らは16世紀に清教徒革命で米大陸にメイフラワー号で人々が渡って来て以来、16世代を詳細に分析した。 その結果、歴史の流れを高い精度で予測できることを主張した。

 当時の副大統領であったアル・ゴアは、この歴史観に深く感銘し、書籍を議員全員に配布したという。



 などと、難しいことを書いてきたが、本書はとても軽快な小説となっていて、とてもこんな結論に至るような気にさえさせないような面白さがある。

 そして、最後の解説で考えさせられる、という仕組みになっている。




 なるほど、全体のコーディネートをいま旬のマーケッターの神田昌典。

 原案と本文の読みやすさをカリスマ放送作家である安達元一氏が担当している。
 この安達氏の手がけた番組を見て納得した。
 「踊る!さんま御殿」「奇跡体験!アンビリバボー」「SMAP x SMAP」「とんねるずのみなさんのおかげでした」「ドラえもん」というから恐れ入った次第であるし、なるほどさすがと思わざるを得ない。


 ぜひ読まれたい。
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